採用でのベクトルフィットの重要性
お金の使い方が雑になるとき
創業期のスタートアップってひたすら金がないわけなんですが。ただ、資金調達とか売上が経つとどうしても使い方が雑になるなぁと感じています。
ここで、一番気をつけたいのが採用での雑なお金の使い方だなと。やはりかかるコストも大きいですし、切りにくいコストという意味でも気をつけないといけないと。
すごく当たり前なことを書きますが、当事者になると失敗してしまうのが人間なので自分がそうならないように書き留めておこうかと。
お金が入ったときの採用
お金がドンっと入ると、会社としてもう1段階ステップアップするためによりビッグネームな人材を取ってこようとします。すると、給与は高めに設定されますし本当に必要な人材かを吟味せず採用することがあります。別にビッグネームを採用することが悪いわけではなく、うまく採用することが大事なわけです。
例えば、あの人は優秀な人材だ!と言うときはこういう感じです。
これがスカラー的な見方だとすると、本当はベクトル的な見方が重要です。なぜかと言うと、いま会社が向いている(強化したい)ベクトルがあるわけで、会社のベクトルとその人のベクトルが近いかどうかは、採用において能力のスカラー値より圧倒的に重要だからです。
なぜかと言うと。
例えば、先ほどの優秀な人材で考えると、仮に会社とその人のベクトルが近かったとします。そうすると、会社と人のベクトルはこんな感じの関係に。
すると、会社にとってこの人の能力はこんな感じになります。
逆に、この人材のベクトルが会社のベクトルと90度違うと下の図からわかるようにスカラー値が0に等しいわけです。
優秀だけど危険な人材とビジョン
スカラー値的には優秀な人でもベクトルを間違うと危険なことがあります。
それは会社として向きたいベクトルが強固じゃないときに、異なるベクトルの人が入るとその人のベクトルに引っ張られて、足並みがばらつくということです。
それを防ぐためには、ビジョンを明確にしたり経営陣が同じベクトルをハッキリと向いている必要性があると思います。
会社のベクトルが強固であれば、少しベクトルの違うビッグネームを採用してもブレませんし、逆に会社のベクトルに引き寄せることでよりバリューを発揮する人材になるんじゃないかと思います。
人材の多様性
会社の人材は多様なほうがいいと言われますが、個人的にはスタートアップには向かないと思っています。
多様であればあるほど、コミュニケーションコストはめちゃくちゃかかります。例えば、コテコテのオタク的なエンジニアチームにキラキラビジネスマンが入ってくると、価値観やそこから発する言語感覚が違いすぎて理解しあうのに時間を要します。
スタートアップでは、一点突破でどれだけスタートダッシュを切れるかが重要だと思うので、そういう意味ではまずはベクトルフィット感を重視していくことが重要かなと。
しかし、多様性にも強さがあります。
例えば、生態系においては種の多様性が生態というシステムを強固にしています。これは何故かと言うと、生物というのは環境という"前提"の上で最適な行動を学習し進化・適応します。
しかし、環境の急に変化した場合"前提"が崩れるわけですから今まで進化・適応してきたものは通用しない可能性が十分にあるわけです。
しかし、生態系というのは種がお互いに相互作用しながら生きているので、多様な種がいることで生態系全体としてはシステムが保たれるわけです。
会社にとっても、市場の潮目が変わると今までの成功体験はすべて無意味になる可能性が高いわけです。そういう状況で会社が新しいベクトルを向いた時に、多様な人材を抱えていることで勢いを失わずに済むわけです。
と、まぁなんか普通のことでした。ではでは。
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